カテゴリー「心と体」の24件の記事

2009年11月 2日 (月)

読書百万遍 (11) 『長生きしたければ“ちょい不健康”で生きなさい』

書店に溢れる医療・健康関係の一般向け書籍の中で、清く正しく理詰めの理系精神にのっとった良書は少ない。

そんな中で、高田明和さん(浜松医科大学名誉教授)の本は、どれもお薦めだ(注1)。

最近、高田明和さんの新刊『長生きしたければ“ちょい不健康”で生きなさい』(KAWADE夢新書)(注2)を読んだ。この本を読んであらためて思ったのは、

「日本人は、健康になればなるほど健康に不安を感じる」

ということだ。

同書には、一般人が意外に知らない、医学研究の成果がたくさん紹介されている。それらを列挙してみよう。

  1. 「太り気味」の方が「ヤセ」より7年も長生きする。
  2. 「日本人の3人に1人はガンで死ぬ」と言われるが、そのかなりの割合は、老齢からくる自然死(「天寿ガン」)と言っていいものである。そんなにガンを恐れる必要はない。
  3. ガン検診を受けても受けなくても、ガンによる死亡率はあまり変わらない。
  4. 喫煙者のうちガンで死亡するのは約5%、非喫煙者のうちガンで死亡するのは約4%。ほとんど差はない。
  5. 喫煙者がアルツハイマー病になる確率は、非喫煙者より22%も少ない。
  6. タバコを奨めるわけでは決してないが、「異端者」のような目で見るのはおかしい。
  7. お酒をほどほどに飲む人のほうが寿命は長い。「週に2日の休肝日」は無意味。
  8. 日本は「4000万人が高血圧だという国」だ。これは不健康な人が多いからではなく、高血圧の基準数値がどんどん引き下げられているからだ(おそらく、血圧降下剤で儲けるため)。
  9. 「コレステロール=健康の大敵」というのは大間違い。
  10. コレステロールには「善玉」も「悪玉」もない。バランスが重要なのだ。
  11. コレステロール値は、高いよりも低い方が死亡率が高い。また、心臓病を減らそうとしてコレステロール値を下げれば、ガンや脳卒中になりやすくなる。また、認知症や鬱になりやすくなる。
  12. 中性脂肪はそれほど気にする必要はない。
  13. タンパク質を十分とっていれば、減塩する必要はない。
  14. 砂糖と糖尿病は無関係。「糖」という字が共通していることによる「思い込み」に過ぎない。肥満や甘いものの食べ過ぎが、糖尿病の直接の原因になることはない。
  15. 玄米・菜食主義は健康的でない。肉・魚は健康のためには必要。
  16. 紫外線を適度に浴びた方が、ガンのリスクは低くなる(ビタミンD合成によると考えられる)。
  17. 人間ドック・健診の検査項目の中で医学的根拠があるのは6項目だけ(血圧・身長・体重・飲酒・喫煙・うつ・糖負荷試験)との報告がある。何とそれは、厚労省の発表だ。
  18. 人間ドックは、病気の発見や健康保持にそれほど大きな役割を果たしているわけではない。

関心のある人には是非一読を薦める。

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(注)

  1. 以前にも、高田明和さんの『誰も知らないサプリメントの真実』(朝日新書、2009)を紹介した。
    2009年6月17日記事 『負のプラシーボ効果・・・ 心の力は偉大なり』 http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-083d.html
  2. 高田明和著『長生きしたければ“ちょい不健康”で生きなさい』(KAWADE夢新書、2009年11月刊)
長生きしたければ“ちょい不健康”で生きなさい―ヘタな健康知識があなたを病気にする―― (KAWADE夢新書) Book 長生きしたければ“ちょい不健康”で生きなさい―ヘタな健康知識があなたを病気にする―― (KAWADE夢新書)

著者:高田 明和
販売元:河出書房新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2009年10月26日 (月)

iPS細胞 - 「健康に老いて、健康に死んでいく」ために。

日曜の午後、ぼぉっ、とテレビを見ていた。テレビ朝日で、iPS細胞の山中伸弥・京大教授のドキュメンタリーを放送していた。

山中教授は、受精卵を使うES細胞(胚性幹細胞)の問題を克服するため、体細胞(皮膚細胞)を「幹細胞」とすることを目指された。幹細胞(stem cell)とは、様々な種類の細胞へと分化していくことのできる細胞のことだ(木の幹から枝葉が分かれていくように)。

そして、皮膚細胞に4つの遺伝子を導入することで、幹細胞とすることができた。4つの遺伝子とは、Oct3/4, Sox2、Klf4、c-Myc、だ。

そしてこのように得られた細胞を、「induced Pluripotent Stem (iPS) cell」(人工多能性幹細胞)と名付けた。「iPS」の先頭の「i」が小文字なのは、Appleの「iPod」に倣ったとのこと。

この技術により、安全で負担の少ない組織・臓器移植実現の可能性が開かれた。何しろ自分由来の細胞を使うのだから、拒絶反応の心配はない。

iPS細胞から臓器丸ごと作り出して移植することができるようになるのは、まだまだ先のことだろう。しかし、シート状に培養した組織を導入するという臨床応用は既に試みられているようだ。

その他、もっと近い将来に、新薬の非臨床試験に使えるようになるのではないか、と私は期待している。現在の非臨床試験は概ね、マウス、ラット、イヌ、サルといった動物を使って行なわれている。しかし、薬の効き方は、種によって大きく違うことが多いのだ。

山中教授が番組の最後の方で言っていた言葉が印象に残った。

「不老不死を目指しているわけではない。
健康に老いて、健康に死んでいくことに貢献できればいい。」

そういう趣旨のことを言っておられた。

その通りだと思う。

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2009年8月25日 (火)

人間ドックで「異常なし」は約1割 - 40過ぎればどこか「異常」があるのが「普通」ということですな

人間ドック学会の調査によると、2008年に人間ドックを受けて「異常なし」と判定された人は、たったの約1割らしい(注)。

だからと言って、日本人の健康状態が著しく悪化していると考える必要はない。9割の人が「不健康」、たった1割だけが「健康」、と言うなら、それは「健康」の定義が間違っていると考える方が合理的だ。

人間ドックを受ける人の多くは、40歳以上で、会社の定期健診として半日人間ドックを受けるという人だろう。特に「病気」の人が多く受けるわけではない。ほとんどの人は、常識的な意味で「健康」なはずだ。

検査の精度が上がって「異常」判定が増えたのでは?と言う人がいるようだが、それはないだろう。精度が悪い検査ほど「疑わしきは要再検査」ということで「異常」判定を下しがちではないか。

2008年4月から「メタボ」項目が追加されたことも、少しは関係あるかもしれないが、大勢に影響はないだろう。「異常なし」の人の割合が2007年以前より激減したわけでもなさそうだから。

要するに、中年になれば、どこか「異常」なのが普通ということだ。

人間ドックの結果を気にし過ぎて病気になってしまわないよう、注意しておくんなさい。
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(注) Yahooニュース、時事通信2009年8月24日配信記事 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090824-00000108-jij-soci

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2009年7月15日 (水)

「『ガンになる性格』を知っていますか?」 - いえ、知りません。そんな性格、ないと思います。

ネットで、「『ガンになる性格』を知っていますか?」という記事が目に付いた(注)。

その記事によると、「怒り、不安、恐れ、悲しみなどのネガティブな感情を表に出さず」、「自分より他人の要求を優先させる」ようなタイプの人は、「ガンになりやすい」。つまり、そういう「いい人」は「ストレス」を溜めやすく、「ガンになりやすい」という。

そうだとすれば、ネガティブな感情を積極的に表に出して、ワガママになれば、ガンになりにくくなるということか?

本当だろうか? いや、そんなことはない。

真の解決への道は、そもそもネガティブな感情を抱きにくく、ものごとに強く執着しないような強い心を持つことだろう。そうすれば、ネガティブな感情を表に出さず、他人に譲歩してばかりいても、別にストレスは溜まらないはずだ。

そもそも、「ストレス」は溜めたり発散したりできるモノではない。物質ではないのだ。実は、発散すればするほどポジティブフィードバック効果によってストレスは強化されるはずだ。

というわけで。

怒りを抑える人と怒りっぽい人。欲を抑える人と欲を丸出しの人。どちらもガンへのリスクは同等だろう。どちらも心が何かに強く執着した状態だ。

執着から心を解放することこそ目指すべきですぞ。
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注) http://allabout.co.jp/health/stressmanage/closeup/CU20090323A/

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2009年7月 4日 (土)

赤い水牛 - Red Bullの成分

木曜日、東京ビッグサイトに出かけた。毎年この時期、『BIO EXPO JAPAN』という、バイオ業界の巨大な国際展示会が3日間かけて開かれているのだ。

受付で登録すると、Red Bull(レッドブル) 1本の無料引換券が入場者全員に配られていた。蒸し暑くて喉が渇いていたので、これ幸いとばかりに、真っ先にもらいに行って飲んだ。

キャンペーンガールのお姉さんが、Red Bullの缶の形をした保冷バッグからRed Bullを取り出して、御丁寧に蓋をあけて渡してくれた。「眠気覚ましになるので、会議の30分前とかに飲むといいですよ」と教えてくれた。それは有難い。

Red Bullを飲むのは初めてだった。味は、リポビタンDあるいはオロナミンCとほぼ同じと感じた。

それもそのはず。Red Bullは、リポビタンDを真似てタイで生まれたもの。その後、オーストリアの会社から、国によって成分を多少変えつつ世界中で大々的に売り出されている。リポビタンDを真似たことは、販売者自身も正直に認めている。

成分表示は。。。100ml当たり、エネルギー46kcal、たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物10.7g、ナトリウム80mg、アルギニン120mg、ナイアシン3mg、パントテン酸2mg、ビタミンB62mg、ビタミンB2 0.09mg、ビタミンB1 22μg。1缶250mlなので、これらの値に2.5を掛けて考えてほしい。

おそらく一番の売りは、上記の成分ではなくて、カフェインが1缶80mg(ということは、100mlあたり32mg)入っていることだ。コーヒー1杯分程度。確かにカフェインに敏感な人には眠気覚ましになるだろう。私にはほとんど効かなかったが。

ちなみに、本家のリポビタンDには、100mlあたり50mgのカフェインが含まれている。濃度としてはこちらの方がはるかに濃い(Red Bullの1.5倍程度)。また、他のビタミン量もぶっちぎりで濃い。ファイト一発!

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2009年6月25日 (木)

反「メタボ」キャンペーンは、健康のためではなく食料自給率アップのため?

2008年から「メタボ健診」というものが始まった。「肥満の人は『メタボリックシンドローム』にかかりやすい」という考え方によるものだ。BMI (Body Mass Index: 体重(kg)/身長(m)の2乗)が25以上だと「肥満」とされる。

ところが、「BMIが25以上の人の方が、25以下の人より寿命が長い」という調査結果があるらしい。さらに、心疾患発症リスクも、「太った」人より、むしろ「痩せた」人の方が高いという調査結果があるらしい(注1)。

つまり、「太り気味は健康に悪い」というのは、神話か信仰に近いものではないのか。

にもかかわらず、なぜこれだけ反「メタボ」キャンペーンが活発化しているのか。

その目的の少なくとも一つは、「食料自給率アップ」のためかもしれない。

食料自給率 = 「国産供給カロリー/食料消費カロリー」

である(カロリーベースの場合)。

日本では1人1日当たり、食糧消費カロリーは2,551kcal、そのうち国産供給カロリーは1,016kcal。結果として、食料自給率は40%とのこと(農水省HPによる)。

食料自給率を向上させるという場合、普通は、国産農作物の生産量を上げるか、食糧輸入を減らす、ということを考えるだろう。

ところが、国産供給カロリー(上の式の分子)が上がらなくても、消費カロリー(上の式の分母)を下げれば食糧自給率は向上するのだ。

現在の農政は、表面的な印象とは裏腹に、国内農業生産量を下げるようになっているらしい。そこで、食糧自給率アップのために「メタボ対策」、となるわけだ(注2)。

ちなみに、私は痩せ気味。どちらかというと、小食。私の個人的「食糧自給率」はすごく高いはずだ(意味があるかは別として)。
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(注)

  1. 高田明和『誰も知らないサプリメントの真実』(朝日新書、2009)、pp.32-33。
  2. 大泉一貫『日本の農業は成長産業に変えられる』(洋泉社新書、2009)、pp.216-218。

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2009年6月17日 (水)

負のプラシーボ効果・・・ 心の力は偉大なり

実際には効果のない薬でも、効果があると思って服用すると、本当に効果が出ることがある。。。 これが「プラシーボ効果」だ。プラシーボ(placebo)とは、「偽薬」のことだ。

一方、実際には効果のある薬なのに、効果がないと思って服用すると、本当に効果が出なくなることもある、という。いわば「負のプラシーボ効果」だ。

高田明和著『誰も知らないサプリメントの真実』(朝日新書、2009)には、このようなプラシーボ効果にまつわる面白い話が記されている。その他、サプリメント(ビタミン剤や健康食品など)に焦点を当てて、それらの効果に関する最近の研究結果が数多く紹介されている。この本はお薦めだ。

大半のサプリメントの「効果」は、実は「プラシーボ効果」かもしれない。。 いやそれどころか、かなりの薬の効果も、実は「プラシーボ効果」かもしれない。。

心の力というものは、それほどまでに強大なのだ。

心を制すること、心を整えることは、サプリメントを摂るよりもはるかに体のためになるということが、正負のプラシーボ効果によって示されている。

誰も知らないサプリメントの真実 (朝日新書 183) Book 誰も知らないサプリメントの真実 (朝日新書 183)

著者:高田 明和
販売元:朝日新聞出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する


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2009年5月31日 (日)

DHCプロティンダイエットの効果を論理的に考察しよう

DHCの『プロティンダイエット』のテレビCMが最近目に付く。果たして本当にダイエットに効果はあるのか? 飲んだことも飲むこともないだろうから、論理的に考察してみよう。

DHCのWebサイトで成分をチェックしてすぐにわかった。これは要するに、成分的には「カロリーメイト」(みたいなもの)だ。プロテイン(タンパク質)に限らず、普通の食事で摂取するような雑多な成分でできている。

1袋50gあたり178kcalというから、固形のカロリーメイト2本分に当たる。3食のうち2食を、この『プロティンダイエット』で置き換えろという。50gの粉末を350ccもの水に溶かして飲むというから、カロリーメイト2本を食うより腹持ちはいいだろう。お腹がチャッポンチャッポンになるくらいだろう。

以前書いたように、人間は実際は一日一食で十分健康に生きていける(注1,2)。だから、残り2食を適当に済ませても特に問題ない。食う量が減れば無駄な体重も減るのは、物理法則だ。

そう言う意味では、この『プロティンダイエット』は確かに効果があるのかもしれない。律儀に長く続けられる人には、だが。

ただし、ビタミン、ミネラルの類が多少過剰なようなフシもある。ただ無駄に多いだけかもしれないが、長期連用する時にはそこんところは留意しておいていいかもしれない。
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(注)

  1. 『「一日三食」は健康的か?』 http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-f22e.html
  2. 『「一日三食」「朝食」を食べると健康にいいという強迫観念』 http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-245b.html

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2009年5月 9日 (土)

中食(なかしょく)

中食(なかしょく)という言葉を、昨日まで知らなかった。

中食とは、惣菜や弁当を外で買ってきて家の中で食べること、らしい。要するに主として、食事を「コンビニ弁当」で済ませることだ。外食と内食(家庭内で料理して食べること)の中間、という意味合いだ。

私は中食のヘビーユーザーだ。以前の一時期などは、ほぼ毎日、中食だった。

コンビニ弁当は「栄養が偏る」とか「添加物や保存料や着色料がよくない」と言われることもあるようだが、それは心配する必要ないだろう。

まず、栄養が偏る心配はない。むしろいろんなものが少量ずつ入っていることが多いので、自炊の場合よりも栄養バランスはいいと思う。おまけに、少人数ならば自炊より安上がりだ。食べ過ぎになる心配もない。

「添加物や保存料や着色料がよくない」というのも心配のし過ぎだろう。売り物なのできっちり成分表示されているが、自炊の場合はそんなことは知らずに普通に摂取しているはずだ。そもそも、添加物や保存料の類を、あえて「サプリメント」や「ビタミン剤」として知らずに摂取している健康オタクの人もいるくらいだ。安全性調査で「有害」と出るのは、人間にすればバケツ何杯分も毎日摂取するような試験をマウスかラットで行なってのことだ。それなら、ただの塩でも醤油でもソースでも「有害」になる。

そういうわけで、これからも「中食」にはお世話になります。コンビニに行って弁当がほとんど売り切れていると悲しくなる。コンビニ弁当、もっと充実してくれると嬉しい。できれば、カロリー高めのものをもっとよろしく。私は、「一日に成人男子に必要とされるカロリー摂取量」に達するのにアップアップしている。

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参考:
(財)食生活情報サービスセンター http://www.e-shokuiku.com/circulation/12_6.html

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2009年4月25日 (土)

マッチョになりたい人は、「プロテインウォーター」でなく「コラーゲン飲料」を飲め。少量飲むだけで数倍のタンパク質が摂取できるぞ。

先日、サントリーの『プロテインウォーター』のタンパク質含有量について書いた(注1)

また、ずいぶん前には、コラーゲンを飲んでも食っても美容には特に意味がないことを書き(注2)、コラーゲンの正体(アミノ酸配列)も紹介した(注3)

ここでハタと気が付いた。

マッチョになりたい人は、気休めにしろ何にしろ、出来るだけ効率的に多量のタンパク質を経口摂取したがるようだ。とすれば、各種のコラーゲン飲料は、お肌を綺麗にしたい人ではなく、マッチョになりたい人にこそ向いているのではないか?

そこで、各種コラーゲン飲料のタンパク質含有量を調べてみた。

  • ドクターシーラボ『コラーゲンドリンクEX』
      1本(50ml)あたり 5.5g
  • ロッテ健康産業『コラーゲン10000』
      1本(200ml)あたり 10.0g
  • ポッカ『キレイの味方 コラーゲン2500mg』
      1本(125ml)あたり 2.5g
  • ハウス食品『うるおい美率』
      1本(100ml)あたり 5.6g
  • アサヒ飲料『コラーゲンウォーター』
      1本(350ml)あたり 2.0g

ちなみに、『プロテインウォーター』のタンパク質含有量は、1本(490ml)あたり 2.5g だ。

もうわかるだろう。

コラーゲン飲料は概して、同容量中に『プロテインウォーター』よりずっと多くのタンパク質を含んでいるのだ。

値段もそんなに変わらない。ものによっては安く同量のタンパク質を飲める。また、タンパク質の種類がコラーゲンだろうと何だろうと、吸収される時にはズタズタに分解されてアミノ酸になっているから関係ない。コラーゲンは多少アミノ酸組成が偏っているが、それ程問題ではない。

だからコラーゲン飲料は、マッチョになりたい人こそが飲むべきなのだ。

効くかどうかは別として。

注)
1.『プロテインウォーターの謎 (2) タンパク質含有量は多いのか?』
  http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-0c5b.html

2.『コラーゲンやヒアルロン酸を食べても無意味です、美容には』
  http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-de7c.html
  『髪の毛を食べると髪の毛がふさふさになる、、わけがない』
  http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-93a7.html

3.『コラーゲンの正体 - こんなの食べても無意味ですって、美容には』
  http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-a973.html

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2009年4月19日 (日)

プロテインウォーターの謎 (2) タンパク質含有量は多いのか?

前回、サントリーの『プロテインウォーター』(Protein Water)について書いた:http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-e06e.html

要約すると: 原材料・成分は、「脱脂粉乳、砂糖、ホエイペプチド、酸味料、安定剤(大豆多糖類)、香料、甘味料(スクラロース)、アルギニン、乳化剤、ビタミンB6」。ホエイタンパク質をずたずたに分解したオリゴペプチドが含まれているのだ。ホエイ(=乳清)に含まれるタンパク質は、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、ラクトフェリン、血清アルブミン、免疫グロブリン(IgA, IgG, IgM)、等。要するにいろんなタンパク質(を分解したオリゴペプチド)が含まれているのだが、それはどうでも良い。吸収されるのは結局アミノ酸なのだから。「コラーゲンだけ」というような場合と違い、アミノ酸組成に極端な偏りはないので、「必須アミノ酸」云々を気にする必要もない。『プロテインウォーター』1本(490ml)には、約2.5gのタンパク質が含まれているそうだ。これは多いのか少ないのか? それを判断するには、他のいろいろな食品と較べて、吸収率を考慮する必要があるだろう。

というわけで、他のいろいろな食品には、どの程度の量のタンパク質が含まれているのだろうか? 科学技術振興機構の『食品成分デーベース』で調べてみた。タンパク質量と、ついでにカロリーも調べた。ちなみに、『プロテインウォーター』は1本で約45kcalだそうだ。

おにぎり1個(100g): タンパク質 2.7g、179kcal
牛肉かた赤肉(100g): タンパク質20.2g、201kcal
まぐろ刺身(100g): タンパク質22.8g、108kcal
さんま(焼き)(100g): タンパク質24.9g、299kcal
ほうれん草(100g): タンパク質2.6g、25kcal
牛乳(100g): タンパク質3.3g、67kcal
抹茶(粉末100g): タンパク質30.6g、324kcal
玉露(浸出液100g): タンパク質1.3g、5kcal
カロリーメイト(4本、80g): タンパク質8.7g、400kcal (製品の成分表示による)

つまり、摂取するタンパク質量に限って言うなら、『プロテインウォーター』1本飲むのは、おにぎり1個を食べるのと大体同じことになる。ただし、吸収率は『プロテインウォーター』の方がいいかもしれない。

牛乳をコップ1杯弱(100g)飲むと、プロテインウォーターよりやや多く(3.3g)のタンパク質を摂取できる。吸収率もさほど変わらないだろう。ただし、カロリーはやや高め(67kcal)だ。また、おなかがゴロゴロするかもしれない。

つまり大雑把に言って、『プロテインウォーター』は、牛乳からおなかがゴロゴロするような成分を取り除いたもの、と言えるだろうか。

タンパク質を大量に摂取できるわけではないが、喉が渇いたときについでにシャレでタンパク質も摂りたい、という場合に便利だろう。さらにシャレついでに、オマケでビタミンB6やアルギニン(アミノ酸)も入っているようだ(特にどうというものではないが)。

(参考)
『マッチョになりたい人は、「プロテインウォーター」でなく「コラーゲン飲料」を飲め。少量飲むだけで数倍のタンパク質が摂取できるぞ。』もどうぞ↓
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-ec64.html

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2009年4月18日 (土)

『プロテインウォーター』(タンパク質水)の謎 (1) どんなタンパク質が含まれているのか?

サントリーの『プロテインウォーター』(Protein Water)のテレビCMが最近目に付く。中村獅童さん、松田翔太さんがいい味を出していて面白い。

イケメン「細マッチョ」軍団と「ゴリマッチョ」軍団が“花いちもんめ”対決!?サントリー プロテインウォーター490ml×24本 イケメン「細マッチョ」軍団と「ゴリマッチョ」軍団が“花いちもんめ”対決!?サントリー プロテインウォーター490ml×24本

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プロテイン(protein)と英語で書くと素人には何か有難く感じられるかもしれないが、要するに「タンパク質」のことだ。

コラーゲンもタンパク質。ケラチンもタンパク質。ヘモグロビンもタンパク質。成長ホルモンもタンパク質。インスリンもタンパク質。リゾチームもタンパク質。狂牛病の原因のプリオンもタンパク質…。少なくとも遺伝子の数だけタンパク質は存在する。タンパク質は、遺伝子DNAの「暗号」(塩基配列)にしたがって、アミノ酸が直鎖状に連なってできる。

タンパク質を日々相手にしている研究者としては、『プロテインウォーター』にはどんな種類のタンパク質がどのくらい含まれているのかが気になる。

Amazon.co.jpの商品説明を見たところ、その原材料・成分は、「脱脂粉乳、砂糖、ホエイペプチド、酸味料、安定剤(大豆多糖類)、香料、甘味料(スクラロース)、アルギニン、乳化剤、ビタミンB6」となっていた。

おっと! 厳密に言って、含まれているのはプロテイン(タンパク質)ではなくペプチドだ! つまり、タンパク質をずたずたに分解して、アミノ酸数個程度の断片(オリゴペプチド)になったものが含まれているのだ。

それはそれで良い。タンパク質を経口摂取しても、例外的(病的)な場合を除き、そのまま体に吸収されることはない。消化酵素等によりアミノ酸にまで分解され、小腸で吸収されるのは結局アミノ酸だ。コラーゲンを飲んだり食ったりしても美容にはこれと言って意味がないのもそのためだ。

どうせ吸収されるのはアミノ酸だから、最初からペプチドに分解しておいた方が吸収率はよくなるだろう。というか、わざわざドリンク剤にするなら最初からプロテインではなくアミノ酸にしておけばいいのに。という疑問は残るが。

では、ホエイタンパク質とはどんなタンパク質か?

ホエイ(whey)とは、牛乳から脂肪やカゼインなどを取り除いた乳清のことだ。この中に含まれる雑多なタンパク質が「ホエイタンパク質」だ。種類としては、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、ラクトフェリン、血清アルブミン、免疫グロブリン(IgA, IgG, IgM)、等だ。

要するにいろんなタンパク質が含まれているのだが、それもどうでも良い。吸収されるのは結局アミノ酸なのだから。また、「コラーゲンだけ」というような場合と違って、アミノ酸組成に極端な偏りはないので、「必須アミノ酸」どうのこうのを気にする必要もない。

次に、『プロテインウォーター』には、どの程度の量のタンパク質が含まれているのか?

1本(490ml)に、約2.5gのタンパク質が含まれているそうだ。

これは多いのか少ないのか? それを判断するには、他のいろいろな食品と較べて、吸収率を考慮する必要があるだろう。それは次の機会に回そう。

(続)
『プロテインウォーターの謎 (2)』
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-0c5b.html

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2009年4月 9日 (木)

結核菌

ハリセンボンの箕輪はるかさんが肺結核を発症したと話題になっている。芸能人ということで、周辺の関係者や、観客になったことのある人達の中には、ちょっとしたパニックになる人もいるという。

しかし、何も急に不安になる必要はない。芸能人だから報道されて目立ってしまったが、良かれ悪しかれ結核はそれ程特別な病気ではない。これまでにも、発病した人と「接触」したことのある確率はかなり高いはずだ。ただ、気付いていないだけだ。

私のごく身近の親族の中にも、両親(昭和一桁生まれ)世代、祖父母世代の中には、結核を発病して入院したことのある人、結核で亡くなった人が何人もいる。最近、天皇陛下も若い頃の結核治療経験を公表された。

厚労省の報告によると、2007年において、日本では人口10万人あたり19.8人が結核を発症しているという(「人口10万人対の新登録結核患者数」)。ただし、大阪府では33.7人、東京都では25.9人になる。
(参考URL: http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou03/07.html

つまり大阪や東京のような大都会の人混みの中で、3000人から4000人の人とすれ違えば、そのうち少なくとも一人くらいは結核を発症している、という計算になる。

通勤、ショッピングなどの際、密閉性の高い公共交通機関、地下街、商業施設などで、1年間で何人の人とすれ違うかを考えてみればわかりやすいだろう。単純に計算すれば、1年で何度か結核菌感染の機会に遭遇していたとしてもおかしくはない。それでも実際に感染する確率は低いし、まして発病する確率は感染した人の10%程度という。

ところで、結核菌は、大腸菌・乳酸菌・ピロリ菌などと同じ「バクテリア」だ。インフルエンザやHIVなどのような「ウィルス」ではない。抗生物質で治療できる。

根治させるために投薬期間は長い(6~9ヵ月程度)が、症状はもっと早く治まる。症状が進んで排菌している場合はしばらく隔離病棟に入院となり、少々ものものしいが、恐れる必要はない。隔離病棟と言っても、普通に御見舞いに行ける。

ただ、マナーとして、年に一回は定期健診の時にでも胸部X線検査を受けることを忘れてはならない。

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2009年3月16日 (月)

「食育」 - 食に対するこだわりを捨てる…

「食育」という言葉を時々聞くようになった。しかし、その定義、意図は明確でない。

多くの人が漠然と考える「食育」のイメージは、

「国産の、有機無農薬の、できれば地産地消の、安全な食材を使って、栄養バランスの良く取れた食事を、一日三食、規則的に摂るようにすること」、

というようなものだろう。

しかし、これらの項目のほとんどは現実的でないし、また、特に大きく健康にプラスになるものでもない。

現代日本で食に関して最も気をつけるべきは、「食べ過ぎ」くらいではないだろうか。

飽食の時代。食に対する欲望は、絶対量を確保することから、より美味しくて「安全」なものを求めることへと膨らみつつある。食に対する執着が、形を変えて膨張しつつあるのだ。

体を維持するために必要なだけの食事を有難く頂く、というくらいのこだわりのない心でいた方が、健康にはいいように思う。

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2009年3月 2日 (月)

「コラーゲン」「ヒアルロン酸」商売のしくみ

「コラーゲンもヒアルロン酸も、飲み食いしても美容には無意味だよ」と私が言うと、高いお金を払ってコラーゲンやヒアルロン酸を飲み食いする人はこう言う。

「でも、実際お肌の調子がよくなるよ。」

信じるものは救われる。プラシーボ効果の可能性はある。また、単なる気のせいの可能性もある。しかし、それだけだろうか。

なぜ「コラーゲン」「ヒアルロン酸」を飲み食いすると美肌にいいと人は感じてしまうのか。考えた結果、そのしくみの一端が理解できたと思う。

飲食用の「コラーゲン」「ヒアルロン酸」商品には、ほとんどの場合、ビタミンBだのCだのEだのが含まれているのだ。

これらのビタミンは、欠乏している人が飲めば確かに一定の効果を発揮する可能性がある。つまり、飲食用の「コラーゲン」「ヒアルロン酸」商品が美肌に効くとすれば、それはこれらのビタミン類のためではないだろうか。

要するに、コラーゲンやヒアルロン酸という不純物を混ぜたビタミン剤を、高いお金を払って飲み食いしているということではないか。

「コラーゲン」「ヒアルロン酸」を飲み食いすることを特に批判するつもりはない。コラーゲンもヒアルロン酸も、太古の昔から人間が普通に食べてきたものだ(菜食主義の人を除く)。

わざわざ高いお金を払おうとは私は思わないが。

(前に書いた記事)
「コラーゲンやヒアルロン酸を食べても無意味です、美容には」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-de7c.html
「髪の毛を食べると髪の毛がふさふさになる、、わけがない」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-93a7.html
「コラーゲンの正体 - こんなの食べても無意味ですって、美容には」

http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-a973.html
「ヒアルロン酸の正体 - こんなの食べても無意味ですって、美容には」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-cb75.html

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2009年3月 1日 (日)

ヒアルロン酸の正体 - こんなの食べても無意味ですって、美容には

コラーゲンやヒアルロン酸が美容にいいと言って飲んだり食ったりする人が後を絶たないが、それは、髪の毛を食ったら髪がふさふさになるというくらい馬鹿げた行為だということは既に書いた。
「コラーゲンやヒアルロン酸を食べても無意味です、美容には」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-de7c.html
「髪の毛を食べると髪の毛がふさふさになる、、わけがない」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-93a7.html

コラーゲンの正体も見た。
「コラーゲンの正体 - こんなの食べても無意味ですって、美容には」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-a973.html

そこで、ヒアルロン酸の正体も見てみよう。

これが正体だ。↓

Hyaluronicacid_6

実際はこのような単位が、延々と連なった巨大な重合体がヒアルロン酸だ。こんなものが腸からすかすか吸収されるとしたら、その前に腸からザーザー出血していなければならない。

ヒアルロン酸を経口摂取すると、小腸で吸収される頃にはグリコシド結合(六員環をつなぐ-O-の結合)のところでばらばらに分解されて、

N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)↓
Glcnac_2

と、グルクロン酸↓
Glucuronicacid

の集まりになっている。

これらは、おなじみのグルコース(ブドウ糖)↓
Glucose

の仲間だ。このグルコースの場合は、「太るから」と言って、食べ過ぎることを極度に怖れる人が多い。

そんなグルコースの仲間がうんざりするほど連なったヒアルロン酸を、美容にいいと言って有難がって食べる人が続出しているわけだ。

心配しなくても、普通に生きていれば、N-アセチルグルコサミンもグルクロン酸も不足することはない。

なお、N-アセチルグルコサミンやグルクロン酸を食べても、それでヒアルロン酸が増えることはない。さらに、ヒアルロン酸がただ増えても美容にいいということはない。

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2009年2月28日 (土)

コラーゲンの正体 - こんなの食べても無意味ですって、美容には

以前にも書いたが、「美容のためにコラーゲンを食べたり飲んだりする」という都市伝説は意外に根深いものがある。
以前の記事: 「コラーゲンやヒアルロン酸を食べても無意味です、美容には」
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-de7c.html

しかし、コラーゲンを「信仰」している人のうち、その正体を知っている人は実はほとんどいないのではないか?

コラーゲンは、言うまでもなくタンパク質だ。ヒトゲノム中のコラーゲン遺伝子のDNA配列にしたがって、アミノ酸が長々と直鎖状に連なってできる。

実はコラーゲンは、タンパク質科学に関わる者には、昔からなじみ深いタンパク質の一つだった。「食べると美容にいい」という詐欺商売、都市伝説が広まる前からだ。というのも、何万種類もあるタンパク質の中でも、ちょっと特殊なのだ。

その正体がこれだ↓

>gi|110349772|ref|NP_000079.2|
alpha 1 type I collagen preproprotein
[Homo sapiens]

MFSFVDLRLLLLLAATALLTHGQEEGQVEG
QDEDIPPITCVQNGLRYHDRDVWKPEPCRI
CVCDNGKVLCDDVICDETKNCPGAEVPEGE
CCPVCPDGSESPTDQETTGVEGPKGDTGPR
GPRGPAGPPGRDGIPGQPGLPGPPGPPGPP
GPPGLGGNFAPQLSYGYDEKSTGGISVPGP
MGPSGPRGLPGPPGAPGPQGFQGPPGEPGE
PGASGPMGPRGPPGPPGKNGDDGEAGKPGR
PGERGPPGPQGARGLPGTAGLPGMKGHRGF
SGLDGAKGDAGPAGPKGEPGSPGENGAPGQ
MGPRGLPGERGRPGAPGPAGARGNDGATGA
AGPPGPTGPAGPPGFPGAVGAKGEAGPQGP
RGSEGPQGVRGEPGPPGPAGAAGPAGNPGA
DGQPGAKGANGAPGIAGAPGFPGARGPSGP
QGPGGPPGPKGNSGEPGAPGSKGDTGAKGE
PGPVGVQGPPGPAGEEGKRGARGEPGPTGL
PGPPGERGGPGSRGFPGADGVAGPKGPAGE
RGSPGPAGPKGSPGEAGRPGEAGLPGAKGL
TGSPGSPGPDGKTGPPGPAGQDGRPGPPGP
PGARGQAGVMGFPGPKGAAGEPGKAGERGV
PGPPGAVGPAGKDGEAGAQGPPGPAGPAGE
RGEQGPAGSPGFQGLPGPAGPPGEAGKPGE
QGVPGDLGAPGPSGARGERGFPGERGVQGP
PGPAGPRGANGAPGNDGAKGDAGAPGAPGS
QGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGDRGDAGP
KGADGSPGKDGVRGLTGPIGPPGPAGAPGD
KGESGPSGPAGPTGARGAPGDRGEPGPPGP
AGFAGPPGADGQPGAKGEPGDAGAKGDAGP
PGPAGPAGPPGPIGNVGAPGAKGARGSAGP
PGATGFPGAAGRVGPPGPSGNAGPPGPPGP
AGKEGGKGPRGETGPAGRPGEVGPPGPPGP
AGEKGSPGADGPAGAPGTPGPQGIAGQRGV
VGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGKQGPSGA
SGERGPPGPMGPPGLAGPPGESGREGAPGA
EGSPGRDGSPGAKGDRGETGPAGPPGAPGA
PGAPGPVGPAGKSGDRGETGPAGPAGPVGP
VGARGPAGPQGPRGDKGETGEQGDRGIKGH
RGFSGLQGPPGPPGSPGEQGPSGASGPAGP
RGPPGSAGAPGKDGLNGLPGPIGPPGPRGR
TGDAGPVGPPGPPGPPGPPGPPSAGFDFSF

LPQPPQEKAHDGGRYYRADDANVVRDRDLE
VDTTLKSLSQQIENIRSPEGSRKNPARTCR
DLKMCHSDWKSGEYWIDPNQGCNLDAIKVF
CNMETGETCVYPTQPSVAQKNWYISKNPKD
KRHVWFGESMTDGFQFEYGGQGSDPADVAI
QLTFLRLMSTEASQNITYHCKNSVAYMDQQ
TGNLKKALLLQGSNEIEIRAEGNSRFTYSV
TVDGCTSHTGAWGKTVIEYKTTKTSRLPII
DVAPLDVGAPDQEFGFDVGPVCFL

米国NCBIのデータベース中のデータを引用した。最初の3行は注釈だ。それ以降の行の、大文字のアルファベットの連なりがアミノ酸配列を表している。1つ1つの文字が、アミノ酸の種類を表している。便宜上、30アミノ酸ごとに改行してある。なお、コラーゲンにはいくつかのタイプがあり、ここではその1つを代表として示してある。

アミノ酸と文字の対応は次の通り:
A(アラニン)、C(システイン)、D(アスパラギン酸)、
E(グルタミン酸)、F(フェニルアラニン)、
G(グリシン)、H(ヒスチジン)、I(イソロイシン)、
K(リジン)、L(ロイシン)、M(メチオニン)、
N(アスパラギン)、P(プロリン)、
Q(グルタミン)、R(アルギニン)、S(セリン)、
T(スレオニン)、V(バリン)、
W(トリプトファン)、Y(チロシン)。
生物のタンパク質は、この20種類のアミノ酸でできている。

御覧のように、遺伝子から翻訳されたコラーゲンは、1464個のアミノ酸からできている(数えて確かめてみて下さい)。

その後、両端が少し切れて、お肌などで働くのは、明るい青色で示した部分(1057個のアミノ酸)だ(数えて確かめてみて下さい)。かなりデカいタンパク質だ。

上の文字列(アミノ酸の並び)をよく眺めてください。

単調な短い配列の繰り返しが多い。G(グリシン)とP(プロリン)だらけだ。3アミノ酸ごとにグリシンが現れるというパターンがある。このため、コラーゲンは、左巻きのらせん状の立体構造(コラーゲンへリックス)をとる。そして、3分子のコラーゲンが右巻きに絡まりあった「3重へリックス」(コイルドコイル)を形成する。

それがどんな構造か、ちょっと見てみたい人は、例えば次のWebページ(米国NCBIのWebページ)で見ることができる:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Structure/mmdb/mmdbsrv.cgi?uid=67037

こんなものを食っても、そのまま吸収されて身につくわけがない。

小腸から吸収される時は、バラバラになったGとかPとか、ただのアミノ酸だ。百歩譲っても、数アミノ酸程度の断片のオリゴペプチドだ。そんなものは、焼き肉からでも野菜からでも、何から摂ってもまったく同じだ。

「マイクロコラーゲン」とか「低分子コラーゲン」とか言われているものは、要するに、長いコラーゲンを数アミノ酸程度のサイズにぶつ切りにしたもの。

しかし、それはもはや「コラーゲン」ではない。ただのオリゴペプチドだ。体の中でコラーゲンと同じ働きをすることは決してない。また、体の中で結合しあって長いコラーゲンを復元するような奇跡も決して起きない。

前の記事でも書いたが、美容のためにコラーゲンを食べる人は、わずかな確率で現れるプラシーボ効果を期待しよう(ただし、この記事の意味を理解した人にはプラシーボ効果は現れない)。

あるいは、コラーゲン商品の中にこっそりと含まれているビタミンBの効果に期待しよう。

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2009年2月 4日 (水)

手で体を洗う

コネタマ参加中: お風呂でのこだわりは、何?

お風呂で、私は手で体を洗う。石鹸を手で泡立てて、そのまま体をなでるように洗う。

いつからこの習慣になったか、はっきりおぼえている。1995年1月17日の阪神大震災以降だ。

当時私は、大阪府茨木市・阪急茨木市駅前の古いマンションに住んでいた。家が壊れることはなく、風呂もすぐ入れるようになったものの、揺れは強烈だった。

いつ起きるかもわからない余震への不安は大きく、のんびり風呂に入る気にもなれなかった。というわけで、それまで使っていた布タオルをやめて、手でささっと体を洗うようになったのだ。

手で洗う方が、布タオル・ナイロンタオル・スポンジなどで洗うよりも、肌にはいいらしい。肌で肌を洗うのだから当然だろう。何より、汚れを落とすには手で十分らしい。

また、風呂に長く置きっぱなしのことも多いナイロンタオルやスポンジには、よく考えれば、大量に細菌が繁殖していそうに思える。細菌を繁殖させた培地で体をこすってキレイにしようというのは、ちょっとブラックジョーク的だ。まあ、そんなに潔癖になる必要もないが。

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2009年1月31日 (土)

七味唐辛子、紅生姜、狂牛病

コネタマ参加中: これをかけるだけで旨くなる

牛丼を食う時は、以前なら吉野家に行っていた。

が、何年か前の「狂牛病」騒動の時にアメリカ産牛肉の輸入がストップして吉野家で牛丼が食えなくなったのをきっかけに、最近はもっぱら松屋だ。

松屋の牛丼は、大量の七味唐辛子と紅生姜をかけ、よくかき混ぜてから食うとうまい。最近のお気に入りだ。

それにしてもあのアメリカ産牛肉の輸入ストップは何だったのだろう。「食の安全」を守るのが大切なのはわかる。しかしあの時期、アメリカに行った日本人旅行客の多くは、アメリカで平気でガツガツ牛肉を食っていたのではないだろうか? アメリカに行って食うのは平気だが、輸入して日本で食うとなると気になったのだろうか。要するに、気分的な問題だったのだろうか。そもそも日本の牛にも狂牛病は発生しているのだから、アメリカ産だけでなく国産牛も同様に全面販売禁止にするべきだったのではないのか。

それ以前に、「狂牛病」に相当する病気、つまり異常プリオンタンパク質が原因となる病気は、牛だけじゃなく、羊にも豚にも人間にもある。多分、鳥にもあるだろう。むしろ羊の「スクレイピー」の方がもともと有名だったと思うのだが、あの時期、ジンギスカン料理が流行したのは一種のブラックジョークか。

要するに、吉野家で牛丼が食えなくなるくらいに病気が気になるのなら、いっそ肉食を全面禁止して一億総菜食主義者になる方が筋が通っているのではないか。

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2009年1月10日 (土)

「一日三食」「朝食」を食べると健康にいいという強迫観念

「一日三食食べないと不健康」というのは合理的な理由からではなく、そうすると一日を通してほぼ「空腹感を感じずにすむから」だ。そして、一日を通して空腹感を感じずにすむことは健康的なことではない。食後最初の空腹感に負けて次の食事をとってしまうと、よほど激しい運動でもしない限り過剰な栄養を蓄積し続けることになる。。

ということは以前にも書いた:
http://higashiooi-machio.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-f22e.html

「一日三食」とほぼ同じ強迫観念として「朝食を食べないと不健康」というものがある。朝食を食べるのは問題ない。しかしその場合は、昼食か夕食、またはその両方を抜いた方がいいかもしれない。あるいは最悪でも、通常の一食か二食分を少量ずつ小分けにして三食にするとよいかもしれない。

「朝食を食べないと午前中の能率が上がらない」とすれば、それは空腹感が気になってしまうからだろう。気になるのは、「空腹=不健康」と信じているためということもあるかもしれない。

「朝食を食べない子供は頭が悪い」という恐ろしい統計もあるようだ。これは「統計でウソをつく」の類だろう。うかつに信じてはいけない。相関関係と因果関係の違いにも気をつける必要がある。

「朝食で血糖値が上がらないと頭が働かない」というのも非科学的だ。食後に一時的に上がった血糖値は、すぐに下降して通常レベルに戻り、その後は一日程度は何も食べなくても血糖値のレベルは保たれる。ホメオスタシス(恒常性維持)だ。その間は、グリコーゲン・脂肪として蓄えられていたものがグルコースに分解されて血糖値を維持する。

コラーゲン、ヒアルロン酸を食べて健康になろうというのと同じで、食事で血糖値を上げて健康になろうというのも、不健康な強迫観念だ。

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2009年1月 2日 (金)

血液型と性格? B型の人は…

B型の人は…

まず自分がBB型かBO型か調べる必要がある。

同様にA型の人は、AA型か、AO型か調べる必要がある。AB型はAB型のみ、O型もOO型のみ(もっとも、ABO式血液型に関連する遺伝子型にはもっと様々なタイプが存在するようだが、とりあえず細かいことは抜きにして)。

簡単に言ってABO式血液型は、α-1,3-N-acetylgalactosaminyltransferaseという糖転移酵素をコードする遺伝子の型の違いに起因している。この酵素がN-アセチルガラクトサミンという糖を転移する型がA型、ガラクトースという糖を転移する型がB型、糖を転移する機能を失った型がO型だ。

ヒトは二倍体だ(父由来と母由来の遺伝子を持つ)。この酵素をコードする遺伝子も父由来と母由来の2つを1セットで持っている。AA型かAO型なら表現型としてはA型、BB型かBO型ならB型、AB型はAB型、OO型はO型。

こういった型の違い(遺伝子多型)は、他のどの遺伝子にもある。何故、3万とも言われるヒト遺伝子の中のたった1つ、α-1,3-N-acetylgalactosaminyltransferase遺伝子のみに注目して、「性格」との相関を取り沙汰するようになったのか。

ABO式血液型が身近だから。それに尽きるだろう。あと、「血縁」、「血筋」などの言葉でもわかるように、遺伝は血で決まるという石器時代の考えが今でも残っているからか。

もちろん理系的には、ABO式血液型が「性格」と相関するという根拠も、「性格」が4通りに分類されるという根拠も、「性格」が遺伝子だけで決まるという根拠もない。

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2008年12月23日 (火)

髪の毛を食べると髪の毛がふさふさになる、、わけがない

「コラーゲンを食べると肌にいい」というのは、「髪の毛(ケラチン)を食べると髪の毛にいい」というのとほぼ同じ不気味な論理だ。「若い人の生き血を吸うと若返る」というのも同類の論理と言えるだろう。

コラーゲンもタンパク質の一種だから、単なるアミノ酸の供給源という意味では確かに栄養になる。しかし、食べたコラーゲンがそのまま体の中でコラーゲンとして働くことは決してない。皮膚に塗れば保湿効果はあるものの、わざわざ高い金を払って食うようなものではない。

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コラーゲンやヒアルロン酸を食べても無意味です、美容には

コラーゲンもヒアルロン酸も、食べても無意味です。これらが体にいいというのは、一種の都市伝説です。あるいは、良くて「プラシーボ効果」です。

コラーゲンは巨大なタンパク質です。つまり20種のアミノ酸が連なったものです。ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という単糖がひたすら延々と交互に連結してできた多糖です。

こういった「生体高分子」を食べる(経口摂取する)と、胃腸で分解されます。小腸から吸収される段階では、アミノ酸・単糖(あるいは高々オリゴペプチド・オリゴ糖)といった「低分子」になっています。でないと、小腸から吸収され、肝臓を通って血流に乗って全身に運ばれません。

アミノ酸、糖類は、コラーゲン、ヒアルロン酸に由来しようと、焼き肉、アイスクリームに由来しようと、何に由来しようと同じです。

コラーゲンやヒアルロン酸が食べてそのまま体の中に吸収されるとしたら大変なことです。それは、極論すれば、「牛肉を食べると牛になる」、というようなものです。

ヒトの体の中で働くタンパク質は、ヒトの遺伝子に従って自前で生産されるのです。食ったタンパク質が人体の中でそのまま働くことは原則的にありません。ヒトのヒアルロン酸も、ヒトが自前で合成したタンパク質によって合成されます。もちろん、注射などで体内に直接注入すればしばらくは外来のもの(カエルのコラーゲンとかヒアルロン酸とか)でも働きますが。(その他、病的な例外もあるにはありますが。。)

ちゃんとした製薬会社が出しているコラーゲン、ヒアルロン酸関係の市販薬の説明書には、決してそれらが「体に効く」とは書いていないはずです。書けば薬事法違反です。

コラーゲンとヒアルロン酸を食べる人は、「プラシーボ効果(偽薬効果)」を期待しましょう。「こころ」のパワーはすごいのです。ただのデンプンでも、効果があると思って飲めば効果があることもあり得ます。

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「一日三食」は健康的か?

藤本晃著『悟りの階梯』(サンガ、2008)という本を読んでいると、次のような記述があった:

正式なお坊さんは一日一食、それも午前中だけと戒律で決まっていますが(中略)文句を言いながら一週間でもやってみたら、なんと、身体は軽い。健康になる。スマートになってメタボも解消。眠気も少なく、頭もよく回り、仕事はもちろん、仏法の聴聞や瞑想修行にも楽に身が入ります。」(p.89)

そうだ、お釈迦様は一日一食だったんだ。。。

瞑想修行などの間はカロリー消費量が抑えられていたとしても、一日全体としての運動量は今と同じ位か、むしろ今より激しかったろうに。。

以前にも、お医者さんが医学的観点から一日一食を勧めている本を読んだことがある。要点は次のようなものだったと思う(多少不正確かもしれないが):

「食事後数時間たって最初に現れる空腹感は、食事由来のグルコースが血中から細胞内に吸収された(血糖値が下がった)ことによるものであって、栄養が不足していることによるものではない。ここで次の食事を摂ってしまうと、過剰の栄養を摂取することになってしまう。」

吸収されたグルコースは、グリコーゲンや脂肪の形で蓄えられている。空腹感はしばらく放っておくと消える。蓄えられたグリコーゲンからグルコースが作られ、さらに「糖新生」によって脂肪からグルコースが作られ始めるからだ。こうやって一度の食事で摂った栄養をしかるべく消費させてから次の食事を摂る。それには一日一食程度がちょうどよい。

つまり、食事後最初の「空腹感」にダマされず、軽い飢餓状態になる前に次の食事を摂るようにすればよい、ということだろう。

実際、人間も含めて動物の身体は、長い進化の過程を通じて、飢餓に対応するメカニズムを二重三重に備えている。一方で、飽食に対応するメカニズムはほとんど身につけていない。飽食が問題になり始めたのは、生物進化の時間スケールからすればほんの最近のことだからだ。

人間の歴史で考えても、一日三食が習慣となったのはごく最近のことだ。現在に続く一日三食の習慣は、日本では明治の軍隊が始めたという。軍隊の魅力をアップさせるためという。

以上のように考えると、「一日三食が体にいい」という合理的理由はないように思える。

「一日三食でも不足しがちな栄養素(微量金属やビタミンなど)があるのに、一日一食ではもっと栄養が不足するではないか」、という反論もあるようだ。しかしそれなら、なぜ「三食」なのかという疑問が残る。一日四、五食、いや「不足」した栄養素が足りるまで何食でも食った方が健康にいいのか?

皮肉なことに、「飢餓に対する恐怖」も進化の過程で身につけたメカニズムだ。食えるものがあれば、必要なくてもとりあえず食っておこうとするのも本能だ。周りに食い物を見つける機会が少なかった時には、それでうまくいっていた。しかし、周りに食い物が溢れた現代の「先進国」では、それが逆に「命取り」になってしまったわけだ。

とにかく、「一日三食食べないと不健康」という強迫観念にだけは囚われる必要がない、と理系的に思う。

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