2009年11月10日 (火)

『2012』 - 今度の終末は3年後だって。ほな、よい終末を、ごきげんよう。

今度の終末は3年後、2012年12月21日にやってくるそうだ。最近テレビでも、盛んに『2012』(注1)のCMを流している。

ついこの前、1999年にノストラダムスの予言で終末を迎えたばかりなのに、わずか13年でまた終末だ、まったく。

これでは、20年に一度の伊勢神宮式年遷宮よりも早いペースだ。私は一生に何度、世界の終末と人類の滅亡を目にすることになるのだろう。

今度の終末は、「古代マヤ文明が予言した」そうだ。2012年に地球の極が移動する「ポールシフト」が起こり、その結果、地殻やマントルが急激に移動し始め、世界中が沈没するらしい(注2)。大変そうですな。

映画『2012』のオフィシャルサイト(注1)によると、「政府が作る船に、全員は乗れない…」らしい。

が、心配ない。そのうち、「リンゴ送れ、C」というメッセージが届き、UFOに乗って逃げられるさ(注3)。

もっとも、当のマヤ先住民の長老は、「2012年の終末は本当ですか?」という問合せに困り果てているらしい。「マヤ暦は2012年に終わりを迎えるわけではない上、2012年の人類滅亡がマヤの歴史において予言されたこともない」そうだ(注4の記事より引用)。

要するにマヤ文明で2012年12月 21日というのは、現代の暦における「新年」に近いようなものらしい。

今日はまだ月曜が終わったところ。

わしゃ次の終末、いや週末が待ち遠しいぞ。
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(注)

  1. 映画『2012』-オフィシャルサイト
  2. NATIONAL GEOGRAPHIC 2009年11月9日記事 『2012年終末説の真実:大陸大移動』
  3. 当サイト2009年8月1日記事 『リンゴ送れ、C』
  4. NATIONAL GEOGRAPHIC 2009年11月9日記事 『2012年終末説の真実:マヤの予言』

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2009年11月 9日 (月)

乾杯トークソング

15年程前、大阪に住んでいた頃、『乾杯!トークソング』という深夜のテレビ番組を何となくよく見ていた。

演歌の番組だった。スナックかバー(寿司屋だったらしいが)のカウンターみたいなセットがあり、そこに演歌歌手が客として訪れて、店のママ、マスターと話をしたり唄ったりする。私が見ていた頃のママは中村美律子さん。深夜にふさわしい、まったりした番組だった。

なぜか記憶に残っている場面は、客が村田英雄さんだった回。晩年の頃で、往年の村田英雄を知っている者ならちょっとギョッとするほど痩せていた。

それはさておき、何より、「乾杯!トークソング」、というタイトルの印象が強烈だったのだろう。最近時々、「乾杯トークソング」というフレーズを思い出すのだ。

どういう時に思い出すかというと、夜、仕事を終えて家に帰り、小さな窓から外を眺める時。

窓からは、すぐそこの京浜東北線の線路の向こうに、「アワーズイン阪急(OURS INN HANKYU)」というビジネスホテルが見える。客室の窓がずらっと並び、ところどころの窓に灯りがともっている。

旅先での一日を終え、ホテルの客室でゆっくりと疲れを癒している人達。最上階の両脇に見える大きな窓は、きっと展望大浴場だろう。

そして心の中で呟くのだった。

「今日も一日、お疲れ様でした。
 乾杯!  トークソング」

そう、「乾杯!」の後に、「トークソング」が付いてしまうのだった。

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2009年11月 8日 (日)

新型インフルエンザ (その33) 第三の薬「ペラミビル」 - タミフル、リレンザとの違い

米国バイオクリスト社(注1)が開発した抗インフルエンザ薬ペラミビル(peramivir)(注2)が注目を集めている。

日本では、塩野義製薬が臨床開発・販売のライセンス契約を同社と結び、臨床試験を行なっていた。そして先月(2009年10月)、厚生労働省に製造・販売の承認申請を行なったという(注3)。

ペラミビルは、タミフル、リレンザと同じノイラミニダーゼ阻害薬(注4)。作用メカニズムは同じだ。どれもノイラミニダーゼが働きかける相手の分子(基質)であるシアル酸のアナログ(類似化合物)であることも変わりない。

では何が違うのか?

まず、タミフルは経口薬、リレンザは吸入薬。それに対し、ペラミビルは静注薬だ。点滴で投与するのだ。このため、重症患者のように、薬を飲んだり吸入したりすることが難しい人達に向いている。逆に言うと、それ以外の人が利用する機会は、おそらくほとんどないのではないだろうか。

次に、化学構造(図1)。タミフル、リレンザ、ペラミビル、どれもシアル酸のアナログではあるが、ペラミビルは他と大きく異なる部分を有している。それは、分子の中心にある環状構造が、五員環(シクロペンタン)であることだ。タミフル、リレンザ、シアル酸は六員環(図2)。このように分子の構造がかなり違っているため、タミフル、リレンザに耐性のあるウイルス株にも有効であることが期待される(と言っても、いずれペラミビル耐性株も広まるのは避けられないだろうが)。

また、ペラミビルは、1回投与で、タミフル5日分(1日2回、5日間服用)と同等の効果が期待されるという(注5)。血中半減期(T1/2, half life)は、タミフルは6-10時間、リレンザは2.5-5.1時間、ペラミビルは7.7-20.8時間、とのこと。静注薬なのは、経口吸収性(生物学的利用能、bioavailability)が低いからだ(注6)。

YOMIURI ONLINE記事(注3)によると、「新薬の承認は通常、申請から1年以上かかることが多いが、インフルエンザの流行で厚労省が審査を早めるとの見方もある。塩野義は来春までに、50万~100万人分を生産できる準備を進める方針だ」、という。米国では先月(2009年10月23日)、重症患者などへの緊急投与が既に認められている(注7)。

来年の今頃は、塩野義製薬から第三の抗インフルエンザ薬が発売されていることだろう。

ペラミビルは一般名(ジェネリック・ネーム)だ。発売される時には何という商品名になっているだろうか。

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図1.ペラミビル(peramivir)の化学構造。
Peramivir_2

図2.ペラミビル peramivir、タミフル tamiflu (一般名、オセルタミビル oseltamivir)、リレンザ relenza (一般名、ザナミビル zanamivir)、シアル酸の化学構造。上から順に、ペラミビル、タミフル、リレンザ、シアル酸。
Peramivir_3

Oseltamivir

Zanamivir

Sialicacid_2

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(注)

  1. BioCryst Pharmaceuticals, Inc. http://www.biocryst.com/
  2. ペラミビルに関する同社のWebページ http://www.biocryst.com/peramivir
  3. YOMIURI ONLINE 2009年11月4日記事 『インフル「第3の治療薬」、塩野義が承認申請』
  4. 当サイト2009年10月15日記事 『新型インフルエンザ (その25) タミフルとリレンザ、どっちが効くの? 耐性は? (ダイジェスト版)』
  5. 産経ニュース 2009年9月14日記事 http://sankei.jp.msn.com/life/body/090914/bdy0909141248000-n1.htm
  6. Wikipedia参照。http://en.wikipedia.org/wiki/Oseltamivir http://en.wikipedia.org/wiki/Zanamivir http://en.wikipedia.org/wiki/Peramivir
  7. NIKKEI NET 2009年10月26日記事 『新型インフル、米が新薬の緊急投与を許可』

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2009年11月 7日 (土)

40万円でヒトゲノム解読 - ○○型占いがものすごく複雑になるでよ

サイエンス誌(2009年11月5日、電子版)に発表された論文(注1、2)によると、米国のコンプリート・ジェノミクス社が、40万円($4,400)でヒトゲノムDNA全配列を決定する技術を開発した、という。

技術の概要は、コンプリート・ジェノミクス社(Complete Genomics, Inc.)のWebサイトでも紹介されている(注3)。また、朝日新聞の記事でも紹介されている(注4)。

同論文の概要によると(注2):

  1. 3人分のゲノムDNAについて、ゲノム当り45~87倍の重複度で配列決定した。
  2. ゲノム当り320万~450万の多型(変種)を見つけた。
  3. 配列決定の精度は高く、10万塩基に1塩基程度の誤読率だった。

ヒトゲノム配列が初めて完全解読されたのは、2003年のこと。10年以上の歳月と、大がかりな国際協力の末に、であった。それからわずか6年余り。ついにここまで来たか、の感がある。

コンプリート・ジェノミクス社によるゲノム配列解読にどの程度の時間がかかるかは、上の論文概要、Webサイトには記されていない。が、来年(2010年)1年で1万人分のヒトゲノム配列解読を計画しているというから、1人分の解読は多分数日程度で完了するのかもしれない。

近い将来、15分、約10万円($1,000)で1人分のゲノム解読ができるようになると予測する人もいるという(注4)。多分そうなるだろう。コストはもっと下がるかもしれない。

そうなると、20年前に盛んに議論されていた社会への影響(ELSI: Ethical, Legal, and Social Issues)が、いよいよ本格化するということだ。

つまり、従来の血液型占いでは人は満足できなくなるだろう、ということだ。何しろ、ABO式血液型と同じような多型が、ゲノム中に数百万は存在するというのだ。その組合せ方は無数と言っていい。

「血液型占い」産業は衰退するのか、それとも複雑化してさらに繁盛するのか。

大問題でっせ。
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(注)

  1. サイエンス(Science)誌のWebページ ScienceExpress http://www.sciencemag.org/sciencexpress/recent.dtl
  2. ScienceXpress (2009年11月5日)記事、
    Radoje Drmanac et al. "Human Genome Sequencing Using Unchained Base Reads on Self-Assembling DNA Nanoarrays".
  3. Complete Genomics, Inc. http://www.completegenomics.com/
  4. asahi.com 2009年11月6日記事 『40万円でヒトゲノム解読 米企業が新技術』 http://www.asahi.com/science/update/1106/TKY200911050587.html

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2009年11月 5日 (木)

答えあわせ占い - 「恐怖に怯える人はさまざまなものに帰依している」

テレビ朝日で、10月から深夜に『お願い!ランキング』という番組をやっている。番組の最後の方で、「答えあわせ占い」というコーナーがある。

占いというと、普通は将来を予測するものだ。ところが、この「答えあわせ占い」は、一日の最後の時間帯に、過ぎ去った一日の運勢がどう予測されていたかを発表するのだ。十二の星座が、運勢の良かった順にランク付けされて発表される。

この発想はなかなか面白い。占いのデタラメさを検証するためにあるようなもんじゃないっすか。

さっき、ぼぉーっ、とテレビを見ていたら、この「答えあわせ占い」をやっていた。

昨日一日、私は仕事上で「最悪にツイてない日だった」、と感じていた。仕事面以外ではいいこともあった一日だったが、全体的には、「稀に見るツイてない日」という気分が支配的だった。

だから、この「答えあわせ占い」で、もし私の運勢ランクが良かったら、占いのデタラメさの実例がまた蓄積されるぞ、と期待して発表を見守ったのだった。

結果は、、、

私の星座は「最悪」と予測されておった。

当たってもとるやないけ。

占いに当てられるとは、まさにツイてない日…

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ブッダ曰く、
「恐怖に怯える人はさまざまなものに帰依している」
(ダンマパダ、188)。

わしゃまだまだ修行が足りん。

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